12月11日 大会レビュー

前回大会も決勝まで駒を進めながら惜しくも
優勝を逃したFC JINSEIは前回大会の悔しさを胸に
是が非でも頂点を勝ち取りたいという強い思いが
みなぎった日となった。振り返っていきたい。

第一試合から


福井流星、若山傑、東海大仰星の奇人田中翔を中心に
JINSEIらしからぬ華麗で着実なビルドアップで攻撃を
組み立てていく。相手を後ろの3枚で引き出すことで
最前線の定成高哉を意図的に孤立させ、勝負させやすい
環境を整備しチャンスを量産していく。
加えて若山、田中、福井の保持する力でボールを失わない
FC JINSEIは前線で押し込む展開で試合を終始する。
試合中にも言われたがいつものJINSEIらしからぬ攻撃的な
姿勢で相手を寄せ付けず、4-0の好スタートを切った。

第二試合

ともなると本日の助っ人田中がオンオフ共に
馴染んだことで遠慮がなくなり、力強さが増して行く。
開始早々fixo福井の縦パスを収めた定成が右に展開すると
右に開いた田中がダイレクトミドルを叩き込む。
この位置から打つという高い技術と強い精神の両面で
攻撃性能の違いを大いにみせつけていた。
今日終始黒子として徹した福井は「締める狩る」という
役割においていつも以上に存在感を放っていた。
ボールを刈り取る力は随一のものがあると言えよう。
やはり、この位置に福井を固定することができれば
守備における強みが際立つということを再確認できた。
時折見せる鋭い縦パスとは裏腹に、時折見せる
アメリカンフットボールでもノーゴールになりそうな
前澤友作に届く宇宙開発シュートを見せるお茶目な一面も
兼ね備える魅力あるプレーヤーの活躍に今後も期待したい。

第三試合

敗れたものの、第四試合第五試合に勝利して
準決勝に駒を進めたFCJINSEIは円陣を決勝に封印し、
準決勝の勝利だけを求めてただひたすらに戦い抜いた。

準決勝

対戦相手は試合前のミーティングで入念に
FC JINSEIへの対策を練ってきていた。
pivoに対してサンドができる立ち位置を意識して、
残りの2枚プラスサンド役のアンカーでビルドアップを
阻害する仕組みをとってきていた。
それでもこの日のJINSEIはパスコースに常に顔を出し
ボールを前進させることで、相手の陣形を崩していく。
先制点も流れるような展開からゴールを決めることに成功。
同点に追いつかれるも若山得意のpivoに当て集結させた
落としをフィニッシュし、得点を奪うことに成功する。
随所に見られる中島のナイスセーブと指先に感覚麻痺を
覚えているのかと錯覚するほどの不正確なスローイングで
観客を沸かす事態にまで発展していった。我々のチームに
マイルドな印象を植え付ける役割までも買って出る守護神の
果敢なスローイングと精彩を欠く日本語に期待したい。
それでも最後は追加点を入れ、3-1で勝利。
決勝に駒を進めることとなったFCJINSEI。

決勝

相手は圧倒的な力で勝ち上がってきたフットサル軍団。

開始からボールを握られるも、我慢の展開が続く。
ただこうした展開を一撃でひっくり返すのがFCJINSEI。
カウンターから若山が持ち込み左足で叩き込み先制する。
即座に追いつかれるも、2分後高い位置でボールを奪った
田中翔と定成の関係で右を崩し、定成の球足の速いクロスに
中で待っていたのは田中翔。
右足ダイレクトで合わせ勝ち越しに成功する。
その後恒例の荒れた展開で相手を苛立たせる市尼スタイルで
時間を消費し、2-1のまま勝利。難敵を相手に久々の
優勝を勝ち取ることとなった。

長らく優勝していなかったJINSEIにとって
この優勝は大いに価値のあるものとなった。
カテゴリーの高い大会に出続けているとはいえども
優勝をしないということを受け入れて進めるほど優しく
育ってきていない面々がほとんどである。
頂上から見下ろす景色が好きな者が集うFCJINSEIの
戦いはここから物語の本論に入っていくこととなるだろう。